アフターサービス研究所|アフターサービスについて考えるメディア

消費者が求めているアフターサービスはどんなものか?
企業のアフターサービスへの取り組みは?

消費者が求めているアフターサービスはどんなものか? 企業のアフターサービスへの取り組みは?

社員全員が胸を張っていられる会社であってほしい
アフターサービスは会社の守り神です
[子育て安心住宅]

子育て安心住宅のアフターサービス

台風が来ると、お客様の家を社員全員で車で巡回するんです

――本日は、消費者が求めるアフターサービスはどのようなものかというテーマで、株式会社子育て安心住宅のアフターサービスについてお話を伺ってまいります。
御社は具体的にどのようなアフターサービスを提供されているのでしょうか

男性A: 当社では正月も含めて24時間365日、お客様からの連絡を受け付けており、ご連絡をいただいてから24時間以内にお客様の元へお伺いするルールになっています。24時間365日と言っても、常時会社で待機しているわけではなく、留守番電話や転送電話で対応しています。お客様に番号をお知らせしている携帯電話を必ず誰かが携帯していて、対応します。また、1週間以内にすべての対応を完了させています。このアフターサービスは約20年前の創業当初からずっと行っているものです。

―― アフターサービスを導入されたきっかけはどのようなものだったのでしょうか

男性A: アフターサービスとはお客様に満足していただくためのものです。会社のイメージにもつながりますし、目の前にいるお客様の満足のために正直に仕事をすることが、次のお客様にもつながっていくことだと思っています。
お客様とのお付き合いはご注文いただいた家を建てて終わるものではなく、建ててからこそ続いていくお付き合いを大切にしていますから、アフターサービスをしっかりと行うのは当然のことです。
24時間365日の態勢を維持するのは大変そうに聞こえるかもしれませんが、人数がいて交代でやっていますのでそんなに難しいことではありません。逆に、他社にできないことこそ自分たちがやりたいと思っています。
創業して間もないころはまだ社員が3人だけで、大雪の大晦日に村が全滅してしまったことがあります。 お客様の家には被害はありませんでしたが、お世話になっていたお客様からそれを聞いてすぐに現場に向かい、一晩中補修作業を続けました。やっぱり家を建てていただいたお客様には、これと同じこと以上のことをしなくてはいけないと思っています。そんな思いを創業当時からずっと持っています。
台風が来ると、社員全員で車でお客様の家を巡回します。エリアごとに部隊を組んで、職人さんらも含めて全員で夜中じゅうパトロールするんです。台風が過ぎるまで車の中で夜を明かします。今では、台風が来ると「俺たちの出番が来た!」と変に興奮します。僕たちのお客さんを守らなくてはいけないという意識が常にあるんです。

他社を知らないと、当社の無償アフターサービスが当たり前と思ってしまうかもしれません

――アフターサービスは、どのくらいの数のご利用があるのですか

男性A: 当社が対応しているのは月30件ほどです。関連会社のサティスホームでは50〜60件あると思います。
一番多いのはクロスの補修対応です。クロスの補修期間は本来1年です。でも1年以上経ってからクロスが開いてしまうことがあります。本来は有償ですが、当社では無償で対応しています。「ごめんなさい、次は少しだけお金くださいね」というようなことは言っていますが、僕たちが動いてできることなら何でもやってあげようという気持ちで行っています。
他社を知らないお客様は、無償でアフターサービスをしていることを当たり前と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。他社で補修を経験されて、家を建てるのが2回目というような方は、当社のアフターサービスにとても喜んでくれます。
例えばハウスメーカーの場合は、毎回の補修の度に料金を取ります。10年保証なら、10年目以降はメンテナンスをしませんが、ハウスメーカーが宣伝している「60年保証」というのは、10年経ったら点検検査をして、メンテナンスが必要なところは全部直して、何百万円も料金がかかるというものですから、結局、建て替えるのとほぼ一緒です。保証期間を延ばせば、お金がどんどんかかってしまいます。保証を受ける側からすると、それしか方法がないので支払うしかないんです。

――お客様からの不満の声などはありますか

男性A: どうしてもすぐに対応できないことがあります。時々、1週間以内に対応が完了せず、10日〜2週間ほどかかってしまって、不満を抱かせてしまうことがあります。
また、捉え方の違いから怒られてしまうこともあります。中には、すぐ直ると無料と思ってしまう方もいます。例えば洗濯機が壊れてメーカーを呼ぶのにも、お金かかるときとかからないときがありますね。我々が行って無料で対応しても、それが当たり前と思われてしまうとその価値を感じていただけません。また、対応に日数がかかったときは、なぜすぐ直らないのかと納得していただけない場合があります。

メンテナンスが必要ないほど高いクオリティのサービスを提供したい

男性B: 以前は、個々の営業担当者が自分のお客様からの依頼をメンテナンス部にお願いしていたのですが、今は自分たち自身がそれをこなすことになりました。そのため、メンテナンスに対する意識はだいぶ高くなり、メンテナンスがかからないように、少しでもいい家づくりを心がけるようになったと思います。

男性C: 我々の原点は、お客様になるべくお金を使ってもらいたくないということです。例えば床材や外壁も、できるだけメンテナンスがかからないように材料を選んでいます。家を建てたらローンもありますから、それ以上にお金をかけたくないと思うんです。メンテナンスが必要になってくるのは平均すると20年先のことですが、そこまで考えた材料選びをしています。
全部無償で行いたいのですが、アフターサービスにかかる人件費を考えると、そういうわけにもいかないのが現実です。1回目は無償でおこないますが、2回目以降は有償となります。それでも、僕たちの会社は少し変わっていると思います。
例えば、クロスが切れた時、すべてのお客様がお金をかけてまで直そうと思いません。どうしても我慢できないとアフターサービスを頼みますが、有償だとやはり依頼は減ります。

――クオリティが高いアフターサービスを提供するための工夫はしていますか

男性C: アフターメンテナンスと呼ばれている時点で、クオリティが高いとは言えない気はしています。以前は現場監督がアフターメンテナンスに行っていましたが、今はアフターメンテナンスの専門家を決めています。担当をたらいまわしにすることで二度三度と手間がかかってしまうようなことがないようにしています。

――苦労する時はどんな時ですか

男性B: 原因がわからない時の対応は大変です。床鳴りしたり、職人さんを連れて行ったり、原因がわからない時はあらゆることをします。ただ、大変でも辞めたいと思ったことはありません。ひとりでやっているわけではなく、分担して行っていますから問題ありません。
また、少し埃が出てしまうような作業をした後、埃が飛ばなかった場所もついでにお掃除してあげたりすると、お客様はとても喜んでくれます。

――他業界で提供しているアフターサービスで気になるようなものはありますか

男性B: 私たちもサービス業ですから、他のサービス業で気になることはあります。喫茶店などでウェイトレスが食器を乱暴に置くのを見たりすると、きちんと教育されていないのではないかと考えます。今の僕らが提供しているサービスのお客様満足度クオリティは、飲食店で同じレベルのことをすれば絶対に繁盛するものだという自信があります。同業種の他社がアフターサービスがどんなことをしているかは、よく知りません。

アフターサービスは社員全員が胸を張るために必要な仕事

――社員は忙しく働いていますか

男性B: お客様の家へ行く仕事なので、アポの時間管理が難しいです。書類の作成が後回しになって、夜遅くまで仕事をしなくてはいけないこともあります。

――アフターサービスの存在や仕組みは、他部門の社員も含めて全社で周知されていますか?

男性B: 当然、皆理解しています。日中はお客様からの電話を受けるのは事務員ですから、アフターメンテナンスのシステムを理解していないと、お客様に対して返答もできません。電話を受けたのに何もしなかったというようなことが過去にありました。そんなことがあると、お客様に満足していただくどころか、逆転してしまいます。ですから絶対に忘れられないようにまずは担当者に伝え、ホワイドボードに一覧表にして管理すれば忘れられることはありません。そういう工夫はしていますね。

――アフターサービスが社員さんに与えている影響はありますか

男性C: 社員全員が胸を張っていられる会社であってほしいと思っています。自分たちは、自分が住みたいと思えるようないい家を作っている、その一環としてアフターサービスがあるんです。実際にうちの会社で家を建てている社員が多いです。黙っていたら他社で建ててもわからないと思いますが、自分自身が建てたい家をお客さんに提供していくという考え方を基本にしています。胸を張って仕事して、友達にも紹介できるような仕事をしていたいです。

家をお引渡ししてからが本当のお付き合いの始まり

――住宅業界全体を見て、工務店のアフターサービスの課題は何でしょうか

男性D: アフターサービスの使命はお客様の問題を一刻も早く解決することだと思いますが、大きな会社だと、すばやく対応することができないことがあります。上司の承認などをとるのに時間がかかり、お客様の家に行くまでに3日かかり、直るのに1カ月もかかってしまう、というようなことも結構あるようです。
一刻も早く対応することを大前提に考えているので、常に人員態勢のことを考えています。他の工務店の中には、家を建てることだけに力を入れ、他のことを考える余裕がないところもあります。住宅業界だけに限りませんが、売れるまでは一生懸命で、売れたら放ったらかしにすることは問題ですね。我々は、いつもお客様にお引渡しをする際に「これからが本当のお付き合いの始まりです」と言っています。家を建てていただいたお客様が新しいお客様を紹介してくださる例が多いのは、アフターサービスの対応が早いことや、一生のお付き合いをするという私たちの思いが評価されているからだといいなと思います。

男性B: 今の現場監督さんは22〜30歳くらいまでの若い人です。この人たちの技術力を上げて、知識をつけてほしいと思っています。お客様からは、もっといろいろな提案をしてほしいと言われています。教育方針に関しては、社長が毎週木曜日に現場監督を集めてレクチャーしていますが、なかなか持続せず、まだまだ勉強が足りません。もちろん各自でも勉強をしていますから確実にレベルはあがっていますが、目に見えるほどの変化にはまだ達していません。

――どんなお客様に特に来てほしいですか

男性B: 子育て世代の方など当社の理念に共感してくださるお客様に来てほしいです。値段だけを見て会社を決めるのではなく、理念も感じてほしいです。

男性D: もちろん値段を見て決めるお客様もたくさんいます。中には他社よりも安いことに不信感を抱く人もいます。安いのには理由があります。うちの家はいい家ですが、広告宣伝費をそんなにかけていないから、この安さで売れるんです。
例えば、高級車のクラウンはいい車ですが、広告宣伝費をふんだんに使ったり、良いスタッフをたくさん使っているからあの値段になるわけです。そのいった経費をかけなければ、カローラの値段ぐらいまで安くなるかもしれません。
大手の住宅メーカーでいえば、例えば、1000万円の原価の家が、最終的にお客さんに渡すころには2200万円になります。つまり50%以上も経費がかかっていることなんです。僕らはそういう経費を削ることで、1400〜1500万円で提供していますから、大手メーカーより3割ほど安くなるわけです。

――予算も度外視して、業界の常識から外れるほどの何かをしたいということはありますか

男性D: アフターメンテナンス中のために家に住めないうような期間に、ちょっと旅行をプレゼントしてあげるといったことをしてみたいです。もちろん、アフターサービスをしないで済むことが一番のサービスだと思います。

男性B: お子様のいるお客様にはお菓子を持っていくなど、少しでも喜んでもらうことをしたいと思っています。お客様のお子様の名前はちゃんと覚えるようにしています。長くお付き合いする間にはお子様も成長していくので、その姿を見るのも喜びのひとつですね。

男性D: お客様にとっていちいち電話するのは面倒だと思うので、アプリなどから私たちに連絡できるようになったら便利だと思います。

――アフターサービス以外で喜んでもらえる工夫は何かしていますか

男性B: 夏休みには大工教室や木工教室などを開いています。大工さんを呼んで、お子さんと一緒に工作するというようなイベントです。クリスマスシーズンには「サンタ大作戦」ということをしています。これは1年以内に家を建てていただいたお客様に、サンタの格好をした僕らがプレゼントを渡しに回るんです。チームに分かれて1日30件ぐらい訪問するので、結構大変です。

――社員の働きやすさのために工夫していることはありますか

男性D: 年に1回、社員旅行に行っています。また残業がありません。女性はほぼゼロと思っていただいてよいです。早く帰りやすいような雰囲気をつくるようにして、プライベートも充実してもらいたいと考えています。そのため、遅くまで会社に残っている人を評価しないようにしています。あとは花見に行ったり、みんなでご飯を食べに行ったり、大きな組織ではない分、動きやすいです。評価システムというものを入れて、目標も持ってもらいやすくしています。自分が何をしたらいいのかを明確化しています。

――アフターサービスというテーマで、他に読者に伝えたいことはありますか

男性D: アフターサービスは会社の縁の下の力持ちであり、かつヒーローのような存在、会社の守り神です。アフターサービスがしっかりしていないと、会社の信用がなくなってしまうので、重要なポジションだと思います。

男性B: わざわざ伝えることをしなくても、社員全員が大切な存在であると知っていると思います。


[2017年4月25日 株式会社SHG(サティスホールディングスグループ)オフィスにて]
取材/榎並千陽 構成/松阪美歩

株式会社 子育て安心住宅 会社情報
会社名 株式会社 子育て安心住宅
代表取締役 寺田 充孝
設立 2007年4月3日
資本金 1,000万円
所在地 〒435-0042 静岡県浜松市東区篠ヶ瀬町1209-1
電話番号 053-423-2600(受付時間 9:00〜18:00/水曜日定休)
FAX番号 053-423-2511
E-Mail info@kosodate-j.com
ホームページURL http://www.kosodate-j.com/
事業内容 住宅の設計、施工、販売